いわれたことの一歩二歩先までやる

仕事とは、上にいわれたことをやること。
この認識はまちがってはいません。
まちがってはいないけれども、足りない部分があります。
足りない部分を足りないままにしておくか、自分の頭で考えて補うか。
これで大きな差が出てくることを覚えておいてください。


先月書いた「株式会社店舗ドックの4つの鉄則」をまたおさらいしましょう。

1.    挨拶
2.    返事
3.    時間厳守
4.    みだしなみ


この一か月、4つとも実践できましたか。
挨拶はしていますか。

「はいっ、しています」


いい返事ですね、一気に2までいきましたね。
いまのように、挨拶や返事を褒められるとうれしいでしょう。
そのうれしさをどう活かすのか、という話です。
褒められたのはなぜだろう、どこがよかったのかな、と考えてみるのです。


反省や振り返りは、失敗したときにだけするものではありません。
うまくいったときにも理由を考えてみることが大事です。
声のトーンか、滑舌か、「間」がぴったりだったのか、笑顔がよかったのかも。
たまたまのヒットをいつもの自分に定着させることができたとき、相手の心まで動かせます。


「棚の整理をしておいて」といわれたら、まず考えることはなんでしょう。
ごちゃごちゃと散らかった状態を整頓すること。
それは合っています。
見た目をすっきり整えたら気持ちがいいですからね。
しかし、もう一歩、考えてください。
整頓するための軸はなんだろう、と。


よく使うものは手前にして取り出しやすいように、あまり使わないものは奥でもいいけれども、なにが入っているのかはわかるように箱にラベルをつけよう。
しまうもの自体にも使いやすくするための工夫ができるかもしれないな。
これでいわれたことから二歩進めますね。
棚の整理ができたときには、君に頼んだ人は感激してくれるのではないでしょうか。


自分の頭で一歩二歩先まで考えて実行すると、自分に対する評価が上がるだけではありません。
社内のみんなの仕事がスムーズに進むようになったり、お客様からの会社への信頼度が上がったり、つまり全体への貢献につながります。 
結果として、自分への評価がさらに上がることになるのです。


なにをするときにも、目的意識を強く持ちましょう。
どこに向かっていくためのいまなのか、を意識して行動するということです。
棚の整理はたんに棚を整理するだけのことではない、といったら頭が混乱するでしょうか。
でも、そういうことです。


見積もりを書く仕事も、たんに見積もりを書くだけではありません。
お客様に金額を伝えるのはいちばん表に見えている目的に過ぎず、お客様にもっと伝えたいのは、この案件への真剣な取り組みの姿勢や、信頼していただくに足る誠実さです。
同じ金額の見積もりでも、数字だけ書いてあるものと上のような目的意識が入っているものとでは、まったく別物であるといえます。


電車の路線に詳しくて、目的地までの経路を立ちどころに答えてくれるような人は、かつて職場で重宝されました。
ところがいまはスマホに聞けば、経路に加えて所要時間や乗り換えに適した車両の号数まで教えてくれます。
AIがどんどん進化して、エージェントや秘書の役割までこなす時代に、人間の必要性は薄れていくのでしょうか。


僕はそうは思いません。
AIが出してきた答えを判断するのはあくまでも人間です。
AIを使うのは人間で、人間がAIに使われるわけではありません。
社長が大阪にいくための経路を社員の誰よりも正確に導き出すAIと、社長が大阪にいく目的と目標の意識を共有している社員。
二つの存在の必要性は社長にとってまったく異なるものです。


自分の仕事はAIに取って代わられてしまうのではないかと恐れる人は、電車の経路に詳しくないから自分は会社の役に立たないんだ、といっているのと同じ。
AIにはけっして持つことのできない「灰色の脳味噌」をもっと信じてみましょう。
いわれたことをするだけのとき、その生きた脳は力の半分も出していません。


手足で働く前に、脳にしっかり働かせるのです。
目的意識を持って、いわれたことの一歩二歩先まで考え、出てきた答えを実行する。
そうすれば君は、会社になくてはならない人になるでしょう。


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髙倉 博

株式会社店舗ドック代表取締役

1970年、東京都世田谷区生まれ。
大学進学に失敗し簿記の専門学校へ進んだ経験が、「大卒者には負けない」という原動力となる。

卒業後、父親の会社で「自分が脇役の人生になってしまう」と焦りを感じて起業。
創業7年目の34歳で看板用LED事業で成功を掴むが、取引先の倒産などが重なり、36歳で1億円の借金を抱える。

最愛の母の死をきっかけに人生を見つめ直し、コンサルタント長山宏氏との出会いを経て再起。
「不安や不便を見つけ、クリエイティブに解決する」(快適の創造)というミッションを見出し、大手企業向けの看板業務代行に注力して評判を得る。

しかし42歳の時、社内クーデターを機に自暴自棄となり酩酊し、社員旅行の宿泊先の窓から飛び降りるも、標識に衝突し奇跡的に命拾いする。
自分を見つめ直し「看板で悲しむ人をゼロにする」という使命を確信し、「看板ドック」事業に邁進。

多くの顧客に支持され、2025年10月1日には、27年間続いた社名を「株式会社店舗ドック」に変更し、業界の更なる変革を目指している。


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