損得か、善悪か

1998年3月23日に会社を興しました。

先日、ふと数えてみたのです。
社長になって、今日で何日目になるのだろうか、と。

10,353日でした。

一万日を超えていました。
自分でも、少し驚きました。

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**恵まれてきた、としか言いようがない**

この一万日を振り返って、しみじみ思うことがあります。

私は、多くの縁と運に恵まれてきました。

苦しい時期も、もちろんありました。
それでも今日まで会社が続いているのは、正直に申し上げて、私の実力だけではありません。

あのとき、あの人に出会えたから。
あのとき、あの人が手を貸してくれたから。

数えきれない縁と運が積み重なって、今があります。

そしてこの積み重ねだけは、一朝一夕には真似できないものだと感じています。

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**なぜ、積み重なったのか**

では、なぜ縁と運は積み重なったのでしょうか。

考えてみると、理由ははっきりしています。

損得で、生きてこなかったからです。

損か、得か。
それだけを物差しにして動く人がいます。

その方が短期的には、うまくいくように見えます。
無駄がなく、効率がよく、賢い判断に見える。

でも不思議なもので、そういう方の周りには、縁が積み上がっていきません。

得なときだけ人が寄ってきて、損になった瞬間に、すっと引いていく。
一万日も商売をしていると、その光景を何度も見てきました。

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**私が持ってきた物差し**

私が大事にしてきた物差しは、善悪です。

正しいか、正しくないか。
筋が通っているか、通っていないか。

判断に迷ったとき、私はいつもここに戻ってきました。

長山宏先生から十五年、絆経営を学ばせていただいています。
先生に教わったことの根っこも、結局はここだと思っています。

損得で判断すれば、その場は得をするかもしれない。
けれど、筋を通さなかった判断は、必ずどこかで返ってきます。

逆に、目先では損に見えても、正しい方を選び続けていると、不思議と縁が残るのです。
そして、その縁が思わぬところで自分を助けてくれる。

情けは人のためならず、とはよく言ったものです。

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**一万日かけて、わかったこと**

若い経営者の方に、時々こんなことを聞かれます。
どうすれば人脈が広がりますか、と。

答えは一つしかありません。

損得で人と付き合わないことです。

この人は自分にとって得か、そうでないか。
そんな目で人を見ている限り、本物の縁は生まれません。
そして相手には、その目つきが必ず伝わっています。

損得は、その日で消えていきます。
善悪は、一生かけて積み上がっていきます。

一万日を超えて、私が確信しているのは、そのことだけです。

さて、明日で10,354日目。
また一日、正しい方を選びながら、積み上げていきたいと思います。


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髙倉 博

株式会社店舗ドック代表取締役

1970年、東京都世田谷区生まれ。
大学進学に失敗し簿記の専門学校へ進んだ経験が、「大卒者には負けない」という原動力となる。

卒業後、父親の会社で「自分が脇役の人生になってしまう」と焦りを感じて起業。
創業7年目の34歳で看板用LED事業で成功を掴むが、取引先の倒産などが重なり、36歳で1億円の借金を抱える。

最愛の母の死をきっかけに人生を見つめ直し、コンサルタント長山宏氏との出会いを経て再起。
「不安や不便を見つけ、クリエイティブに解決する」(快適の創造)というミッションを見出し、大手企業向けの看板業務代行に注力して評判を得る。

しかし42歳の時、社内クーデターを機に自暴自棄となり酩酊し、社員旅行の宿泊先の窓から飛び降りるも、標識に衝突し奇跡的に命拾いする。
自分を見つめ直し「看板で悲しむ人をゼロにする」という使命を確信し、「看板ドック」事業に邁進。

多くの顧客に支持され、2025年10月1日には、27年間続いた社名を「株式会社店舗ドック」に変更し、業界の更なる変革を目指している。


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