増収増益、でも赤字です

九月末で、当社の二十八期が終わります。

決算は九月。つまり今月が締めです。
毎年この時期は、一年を振り返る季節になります。

今日は、その話を正直に書かせてください。

売上も利益も伸びました

まず、良い報せから。

二十八期は、増収増益でした。

売上が伸び、利益も改善しました。
手応えは、確かにありました。

理由もはっきりしています。
ものづくり屋から、点検診断屋へ変わったからです。

看板を作って納める会社から、看板の健康状態を診る会社へ。
一発の大きな受注を追う商売から、コツコツ積み上がる商売へ。

数字の安定感が、まるで違います。

**それでも、赤字です**

けれど、正直に書きます。

増収増益ではありますが、今期の着地は赤字です。

こういうことは、あまり書かないものかもしれません。
黙っていれば、誰も気づかないかもしれません。

でも私は、都合のいいところだけを書きたくないのです。

いいことも書く。失敗も書く。
それがこのブログのやり方だと思っていますので。

**三年かかりました**

では、なぜ赤字なのか。

ものづくり屋から点検診断屋へ変わるのに、三年かかりました。

言葉にすれば一行です。
実際には、途方もない作業でした。

検査の仕組みを作る。判定の基準を整える。
記録の型を決める。人を育てる。
システムを入れる。手順を文書にする。

どれも、すぐには売上になりません。
それでも、やらなければ先がありません。

その三年分の投資が、今期に集まりました。

そして今年度で、変革は完成します。

**もう一つ、対象を広げました**

赤字の要因は、もう一つあります。

店舗ドックへの挑戦です。

看板を診る会社になったところで、止まりませんでした。
点検診断の対象を、店舗設備全般へ広げたのです。

空調も、厨房機器も、給排水も、電気設備も。
お客様の店舗を支えている設備を、まるごと診る。

これは、看板ドックの経験だけでは足りませんでした。
対象が変われば、見るべきところも、基準も変わります。

新しい仕組みを、また一から作ることになりました。
実証実験も始まりました。人も動かしました。

当然、費用は先に出ます。
売上は、あとから来ます。

その差が、今期の赤字に乗っています。

けれど、ここが目指す先です。

私たちは、看板屋から点検診断屋になりました。
そして今、設備マネジメント企業になろうとしています。

お客様の店舗にある設備を、まるごとお預かりする。
状態を把握し、寿命を延ばし、計画的に手を入れていく。

そこまで行ってはじめて、お客様は本業に集中できます。
それが「快適の創造」だと思っています。

三年の投資は、そのための投資でした。

変化には、痛みが伴います

以前このブログに、変化には痛みが伴うと書きました。

慣れた仕事を手放す怖さ。
新しいやり方が軌道に乗るまでの、じりじりする時間。
長くお世話になった方とのお別れ。

痛かったです。本当に痛かった。

数字の上でも、痛みが出ました。
それが今期の赤字です。

ただ、この赤字を私は恥ずかしいとは思っていません。

何もせずに現状維持で黒字を続けることは、できたかもしれません。
けれどそれは、十年後に会社がなくなる道でした。

痛みのない変化など、ありません。
痛みが出ていないなら、それは変わっていないということです。

**十月から、二十九期です**

十月一日から、二十九期が始まります。

そして同じ日に、当社の理念が変わります。

これまでの理念はこうでした。

「全従業員の豊かさを追求すると共に、店舗開発部の快適を創造する」

これを、この一語にします。

「快適の創造」

削って、削って、最後に残った一語です。

三年かけて事業の形を変え、理念も削り込みました。
そうやって迎える二十九期です。

**来期は、黒字にします**

最後に、数字の話をもう一度。

来期は、黒字にします。

三年の仕込みが終わったからです。
作ってきた仕組みが、これから働き始めます。

投資の時期は終わり、回収の時期に入ります。

偉そうに書いていますが、経営に絶対はありません。
波は、自分では作れないからです。

ただ、いい位置で待つ準備は、三年かけて整えました。
あとは漕ぎ続けるだけです。

さて、あなたの今期は、いかがでしたか。


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髙倉 博

株式会社店舗ドック代表取締役

1970年、東京都世田谷区生まれ。
大学進学に失敗し簿記の専門学校へ進んだ経験が、「大卒者には負けない」という原動力となる。

卒業後、父親の会社で「自分が脇役の人生になってしまう」と焦りを感じて起業。
創業7年目の34歳で看板用LED事業で成功を掴むが、取引先の倒産などが重なり、36歳で1億円の借金を抱える。

最愛の母の死をきっかけに人生を見つめ直し、コンサルタント長山宏氏との出会いを経て再起。
「不安や不便を見つけ、クリエイティブに解決する」(快適の創造)というミッションを見出し、大手企業向けの看板業務代行に注力して評判を得る。

しかし42歳の時、社内クーデターを機に自暴自棄となり酩酊し、社員旅行の宿泊先の窓から飛び降りるも、標識に衝突し奇跡的に命拾いする。
自分を見つめ直し「看板で悲しむ人をゼロにする」という使命を確信し、「看板ドック」事業に邁進。

多くの顧客に支持され、2025年10月1日には、27年間続いた社名を「株式会社店舗ドック」に変更し、業界の更なる変革を目指している。


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