何をするかより、誰といるか

11月2日、浜離宮朝日ホールで銀座男声合唱団の演奏会を開きます。
550席のホールが、あっという間に満席になりました。
7月の七夕コンサートに続いての満席です。
足を運んでくださる皆さまに、心から感謝しています。

そしてもう一つ。
団員が、毎月のように増えています。
20代から70代まで、その多くが経営者です。
皆、忙しい。それでも入ってくる。

なぜか。

団長になって一年、ずっと考えてきました。
私なりの答えは、この団には「磁場」がある、ということです。

類は友を呼ぶ、と言います。
本気で会社を経営している人が、本気で歌っている。
その姿を見た人が、また本気の経営者を連れてくる。
気がつけば、バリバリの経営者ばかりが集まる団になっていました。

辰野での合宿では、練習のあと、床に座って缶ビールを片手に、夜遅くまで語り合いました。
話題は歌のことだけではありません。
経営のこと、人のこと、これからのこと。
肩書きを脱いだ経営者同士だからこそ、本音が出ます。

そして不思議なことに、団員の会社が良くなっていくのです。

人間は、波長の生き物だと私は思います。
本気の人たちの中に身を置くと、自然と自分の波長も上がっていく。
言い訳ができなくなる。
あの人があれだけやっているのだから、自分もやろう。
そう思える仲間がいることが、そのまま経営に表れるのだと思います。

最近は、団員同士のビジネスマッチングもどんどん増えています。
なぜ、仕事につながるのか。
一緒に歌うと、その人の人間性が分かるからです。

合唱は、自分の声だけ大きくても成り立ちません。
周りの声を聴き、合わせ、支える。
地道な練習を、仲間と一緒に積み重ねる。
その姿を見ていれば、どんな仕事をする人なのかは、自然と伝わってきます。
言い換えれば、銀団にいる時点で、ある意味スクリーニングされている。
だから、安心して仕事を頼めるし、人も紹介できるのです。

だからこそ、大切なのは何をするかではなく、誰といるかです。

AIや画面越しのやり取りがどれだけ便利になっても、波長だけは同じ空間に集まらなければ合いません。
声を重ね、同じ空気を吸い、同じ時間を過ごす。
その積み重ねが、人を引き寄せる磁場になっています。

これは、会社も同じです。
社員にとって一番大切なのは、何の仕事をするかより、誰と働くかなのかもしれません。
磁場のある会社には、良い人が集まり、良いお客様が集まります。
その磁場をつくるのは、仕組みでも広告でもなく、そこにいる人の本気です。
社長の仕事は、自分の会社に磁場をつくることなのだと、団長を務めながら改めて感じています。

11月2日、満席の550席に向かって、精一杯の声を届けてきます。

あなたは今、誰といますか。


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髙倉 博

株式会社店舗ドック代表取締役

1970年、東京都世田谷区生まれ。
大学進学に失敗し簿記の専門学校へ進んだ経験が、「大卒者には負けない」という原動力となる。

卒業後、父親の会社で「自分が脇役の人生になってしまう」と焦りを感じて起業。
創業7年目の34歳で看板用LED事業で成功を掴むが、取引先の倒産などが重なり、36歳で1億円の借金を抱える。

最愛の母の死をきっかけに人生を見つめ直し、コンサルタント長山宏氏との出会いを経て再起。
「不安や不便を見つけ、クリエイティブに解決する」(快適の創造)というミッションを見出し、大手企業向けの看板業務代行に注力して評判を得る。

しかし42歳の時、社内クーデターを機に自暴自棄となり酩酊し、社員旅行の宿泊先の窓から飛び降りるも、標識に衝突し奇跡的に命拾いする。
自分を見つめ直し「看板で悲しむ人をゼロにする」という使命を確信し、「看板ドック」事業に邁進。

多くの顧客に支持され、2025年10月1日には、27年間続いた社名を「株式会社店舗ドック」に変更し、業界の更なる変革を目指している。


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