書籍に掲載されました
- 媒体名:書籍
- コーナー名:PART 2 弱い競争力を武器に挑戦を続ける実力派
- 記事タイトル:看板業界の安全安心な仕組みづくり
- 掲載年月:
掲載内容 ※要約
「看板で悲しむ人をゼロに」掲げ、看板ドックで新設の1/3の費用で補修延命を実現
株式会社レガーロは、経験や勘に頼りがちだった看板業界に、高精度な検査技術と定量的な仕組みを導入した企業です。
同社の根幹にあるのは、利他の精神に基づく共存共栄の企業文化です。
2015年の札幌での看板落下死亡事故が、創業者である高倉博社長に大きな衝撃を与えました。
この事故を契機に、高倉社長は「看板で悲しむ人をゼロにする」ことを会社のミッションと定めました。
従来の看板業界には、公的な安全基準が乏しく、職人の感覚頼みで危険が見過ごされがちでした。
この課題を解決するため、レガーロは大学の研究室や鉄道会社と連携し、定量的検査の評価基準と運用マニュアルを構築しました。
そして2017年に、看板本体や構造の劣化をカルテで報告するサービス「看板ドック」をスタートさせました。
並行して始めた「看板リペア」サービスでは、カルテに基づき必要な部分のみを補修することで、新設の3分の1程度の費用で看板の延命を実現しています。
レガーロは創業当初のアパレル事業から、後に将来性を見据えて看板用LEDの製造販売に転換し、成長を遂げました。
現在は、多店舗展開するナショナルチェーンに特化した営業体制を敷いています。
高倉社長は、自社の一人勝ちを良しとせず、中小の製作・施工企業を抱えるプレスメーカーの形態をとることで、全国の中小企業と大手チェーンのニーズを結びつけ、業界全体のレベルアップを図るWin-Winの関係を構築しています。
この「利他」の考え方は、同社が提携会社と看板ドックのノウハウを共有し、点検・測定を提携会社、解析をレガーロが担当するという新たなビジネスモデルにも生かされています。
レガーロは、看板の安全安心な仕組みづくりを起点に、業界の枠を超えた協力体制を通じて、街の安全に貢献し続けています。