MEDIAメディア掲載

『毎日新聞』に掲載されました

  • 媒体名:毎日新聞
  • 記事タイトル:看板ドック 落下ゼロへ
  • 掲載年月日:2022年12月23日

掲載内容 ※要約

札幌の事故を教訓に、看板の劣化を数値化し落下事故ゼロを目指す「看板ドック」事業

ビルの屋上や壁面に掲げられた看板は、風雨や紫外線で経年劣化が進み、一度落下・倒壊すれば重大な人身事故につながる危険性があります。
こうした危険をなくすため、看板の安全点検・診断サービスである「看板ドック」を事業化する企業が現れ、注目を集めています。

看板ドックは、看板の専門家が点検し、対策の必要性を助言するサービスです。
建物の総合メンテナンスを手掛けるアメニティ(東京都新宿区)は、この事業を導入した企業の一つであり、もともと製材業で培った木材の腐食診断技術を応用して、看板の劣化を数値化する独自システムを開発しました。

このシステムでは、看板の変形や錆びといった「痛み」を「A(問題なし)」から「D(即時対応が必要)」の4段階で評価します。
さらに、「超音波応力計」などの測定機器を用いて看板の強度と安全性を具体的な数値で示します。
この客観的な数値に基づき、修繕や補強の必要性を判断できるため、オーナー側も対策の重要性を理解しやすくなっています。

看板ドックが注目される大きなきっかけは、2015年に札幌市で起きた看板落下死亡事故です。
この事故を受け、国土交通省は特定行政庁が指定した屋外広告物について、3年ごとの有資格者による点検と報告を義務付けるなど、法規制を強化しました。

アメニティの担当者は、この事故が看板業界全体に大きな衝撃を与え、点検の重要性を再認識させたとしています。
同社が劣化を数値化するシステムを開発したのは、従来の点検報告書だけではオーナーに修繕の必要性が伝わりにくいという課題を解決し、客観的なデータで事故防止を徹底したいという強い思いがあるからです。

看板ドックは、義務化された点検の代行サービスとして、より詳細な診断結果を求めるオーナーからの依頼が増加しており、「落下ゼロ」を目指して事業の広がりが期待されています。


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