『月刊高倉』2026年7月号:店舗の「健康状態」を見える化する実証実験が動き出しました
店舗ドック、実証実験が動き出しました
梅雨も明け、いよいよ本格的な夏がやってまいりました。
お客様各位におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。
先月号でお伝えした店舗ドックの実証実験が、いま複数の企業様で動き出しております。今月は、その現場で私たちが何をしているのかを、少しだけお話しさせてください。
まず取りかかるのは、過去のメンテナンス履歴の分析です。
どの店舗で、どの設備が、いつ、いくらかけて直されてきたのか。二年分のデータを丁寧に並べていくと、それまで見えていなかったものが浮かび上がってきます。
たとえば、こんなことがわかります。
築年数が浅いのに、故障がやたらと多い店舗がある。逆に、二十年を超えているのに、驚くほど手のかからない店舗がある。
同じチェーンの、同じ設計の店舗でも、健康状態はまるで違うのです。
次に、現地に伺います。
すべての設備を一つひとつ見て、台帳をつくります。設備の名前、メーカー、型式、導入年、法定耐用年数、現在の状態、使われ方、これまでの修繕回数と金額。それらを記録し、設備ごとに健康度をA〜Dで判定していきます。
人間の健康診断と、同じ考え方です。
血圧を測り、数値を記録し、基準と比べる。だから「なんとなく調子が悪い」ではなく「この数値が要注意です」と言える。私たちは、それを店舗の設備でやろうとしています。
そして最後に、「精密検査が必要な設備のリスト」をお渡しします。
ここが、いちばん大事なところかもしれません。
店舗を預かるご担当者様の悩みは、修繕そのものよりも「予算が取れないこと」にあるのではないでしょうか。上に説明しようにも、根拠となる数字がない。壊れてから慌てて申請する。その繰り返しになってしまう。
だから私たちは、そのまま稟議にかけられる粒度でレポートをつくります。どの設備が、なぜ、どれくらい危ないのか。放っておくとどうなるのか。今動けば、いくらで済むのか。
見える化とは、そういうことだと思っています。
実証実験は、まだ始まったばかりです。うまくいくことも、いかないこともあるでしょう。それでも、ご一緒くださっている企業様の期待に応えられるよう、一つひとつ丁寧に積み上げてまいります。
進展があれば、また本紙でご報告いたします。
暑さ厳しき折、どうぞご自愛くださいませ。
株式会社店舗ドック
代表取締役 髙倉 博